本稿では、新著『繁盛したければ、「やらないこと」を決めなさい』の内容に沿って行われたセミナーの一部、おもに「ブランド」について語られた部分を掲載します。
ブランドは世界観にもとづいた「価値」を提供する
ブランドを構成する要素は8つあります。

一番大切なのは「世界観」です。それは、自分の会社が世の中でどういう役割を持ちたいのかということを表わすものです。
その世界観にもとづいた、お客さんに提供する価値が「ブランドエッセンス」です。世界観を具体的に表現し言語化したものでもあります。そのブランドを使うことによって、お客さんがどのように変化するか。決してブランドネームがブランドの価値ではありません。
また、価値は不変ではないことに注意しておく必要があります。価値は、時代によって増減したり、役割が変わったりするからです。たとえば、ひと昔前の商店街の価値は、「一カ所集中」でした。八百屋、肉屋、魚屋、洋品店、理髪店。商店街に行けば大体あった。でも今は、楽天などのネットショップや、駐車場やアミューズメント施設もある大型ショッピングモールに価値が移っています。商店街が復活するには、かつてとは違う価値を提供しなければならないでしょう。
「ブランド」は知覚である

「南アルプスの天然水」はわたしたちにはおなじみの製品ですが、ドバイでは誰も知らない。これが何を意味するかというと、ブランドは製品の中ではなく、人の頭脳の中にあるということ。これがブランドの本質です。つまり「知覚」なんです。それは、それまでの顧客印象(インプレッション)の蓄積で、顧客の頭脳の中に形成されるものです。
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