お客様に言ってはいけない言葉がある

「いまの時代、押しのトークだけでは売れません。お客様の気持ちに寄り添って、信頼を得る言葉の使い方が求められているのです」と指摘するのは、サイレントセールストレーナーとして、内向型で売れずに悩む営業マンを専門に指導する渡瀬謙氏です。

幼少期から極度な無口、あがり症だった渡瀬氏は、学生時代にとくにやりたいことも見つけられず、周囲に流されるように営業職としてメーカーに就職しました。待っていたのは売れない日々。不得手であるトークも人一倍練習しましたが成果は出ません。

しかしあるときから、自分のトークよりもお客様の気持ちにフォーカスして、相手を立てるスタイルに変えたところ徐々に成績が伸び始めて、当時勤めていたリクルートで、なんと、トップセールスになったそうです。

そんな経験をした渡瀬氏は、内向的か外向的かに関わらず、売れない営業マンはお客様に「言ってはいけない言葉」を発しているから売れない、と言います。いくら一生懸命セールストークに磨きをかけても、「言ってはいけない言葉」を使っていたのでは成果が出ないのも当然ですね。

どんな言葉がNGなのでしょうか。渡瀬氏の著書、『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』から3つのNGワードをピックアップしました。

「そういえばおもしろい話がありましてね」はNG!

雑談の目的は「相手にしゃべってもらうこと」

営業マンにとって「雑談力」は重要とよく言われます。もちろん間違いではないのですが、話がうまく場を盛り上げるのが得意なタイプの人が、営業マンとしてはなかなか芽が出ないことも多いようです。話し上手な人材は周囲の期待も大きいだけに、成果が出ないとそのギャップに本人の悩みも深くなります。

営業マン「先日、うちの上司がバカなことを言っていましてね……」
お客さま「ほう」
営業マン「私が◯◯と言ったら勘違いしたようで、……そして、……だったんです(笑)」
お客さま「それはおもしろいね」
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上の会話のように、笑えるネタを持ち歩いてはお客さまに披露する営業マンがいますが、相手がのってくるならまだしも、単に聞いているだけだとしたら、その雑談の効果はありません。

営業での雑談は相手の警戒心を取り除くことが目的です。そのためには、相手にしゃべってもらうことが重要なのです。相手を笑わせることが重要なのではありません。

相手側の話題を使う

売れている営業マンは、雑談に「相手側の話題」を巧みに使います。たとえば名刺交換のとき。

営業マン「珍しいお名前ですね。何とお読みするんですか?」
お客さま「これはね、◯◯◯◯と読むんです」
営業マン「そうなんですか、珍しいですね~」
お客さま「はい、いつもまともに読まれたことがないんですよ(笑)」
(62ページ)

名前のほかにも、相手の服装や持ち物、部屋の中にあるものなどを観察すれば話題は無限に見つけられます。

雑談の際は、自分から無理に盛り上げようとせず、相手がしゃべりやすい話題、つまり相手側の話題に徹することが重要です。