仕事をしていて、どのようにストレスが発生するかと言えば、主に自分自身が感じている期待値、理想、責任感と、現実の成果や能力との間にギャップがある場合にストレスが発生します。こうしたストレスへの対処法としては、主に4つの方法が考えられます。

  1. セルフモチベーションによって期待や理想を実現する
  2. 柔軟性を高め、起こっている事実を受け入れる
  3. ストレスとなる対象をコントロールする
  4. 組織のカルチャーや価値観、取り巻く環境をコントロールする

1と2は、自分自身をコントロールするという意味では共通した対処方法と言えます。また、4は主にマネジメント層の場合に適用できるものと言えます。面接では、応募者が過去の行動において、こうした4つの方法をどうとってきたかを質問していきます。たとえば、次のような質問をしてみます。

  • 社会的ストレス確認のための質問例
    いままでに難しいと感じたこと、大きな壁と感じたことを話してください
  • 心理的ストレス確認のための質問例
    これまで嫌だなと思ったことや、一番納得できなかったこととその理由について話してください

(『「入社後、活躍する人」を見逃さない面接の技術』P.169-170より)

面接で聞いておくべきこと・聞いてはならないこと

面接は、事前に提出された履歴書(中途採用なら職務経歴書も)に書かれた情報をもとに応募者の能力・適正と自社が用意するポジションを対照し、採用活動を進めていく必要がある。そのため、応募者のことを深く知り、自社で活躍できる人物かをより詳しく判断するために「面接担当者にさせるべき質問」と、「させるべきではない質問」が存在する。それぞれ詳しく見てみよう。

面接担当者がするべき質問

面接時、多くの企業では「志望理由(中途採用なら加えて転職・退職の理由なども)」「過去の経験や実績」「キャリアに対する考え方(専門職志向かゼネラリスト志向か)」「その他(入社可能時期や併願状況など)」などについて質問しているだろう。

たとえば「過去の経験・実績など」なら、書類上でPRポイントとして記載されている実績や成功体験の詳細、中途採用ならそれに加えて「応募職種に近いポジションでの業務経験」を確認するのが一般的だ。

このとき、普通の面接担当者は「一刻も早く戦力として、活躍してくれる人材かどうか」だけを判断基準とし、応募者がもつスキル・能力を確認する質問への答えで合否を判断しがちだ。しかし、牛久保氏は「スキルや能力だけで合否を判断するのは危険」とし、以下のような視点を持たせるべきだとしている。

10人しかいない企業と、1000人規模の企業では、たとえ同業界、同業態の企業であっても、必要となる人材像は違います。評価についても、私のお客様の中には、同じ業界の競合企業でありながら、「5年でマネジメント(管理職)になれなければ辞めて欲しい」と思っている企業もあれば、「入社した以上、20年は働いて欲しい」と思う企業もあります。

さらに、仕事の進め方についても、本当は80%くらいしか確信の持てないことでもお客様に100%を約束し、それによって社内を説得し何とかやり遂げるような社員を高く評価をする企業もありますし、反対に、仮に結果的にはうまくいったとしても、80%しか確信が持てないにもかかわらず、それ以上の約束をしたことを厳しく罰する企業もあります。

こうした「価値観・志向性」を、ぜひ重視して欲しいと思います。多くの企業の退職理由を見ていても、スキル・能力よりも、この価値観・志向性のほうが大きな影響があります

価値観・志向性は、重要であるにもかかわらず、多くの企業が見落としがちなところです。ぜひ他社と比較しやすい中途入社社員の新鮮な声なども聞きながら、自社の「価値観・志向性」というものを強く意識して欲しいと思います。

(同P.107-108より。強調原文まま)