「こども手帳」を始めてみよう!

こども手帳の使い方としてはとっても簡単。やることを書いたフセンをスケジュール表に貼って、やり終わったらそのフセンを隣のページに貼りかえるだけです。しかし、市販の手帳を買って、すぐに始められるものではありません。それぞれの子どもに合った、世界でたった1つの手帳を作るところから始まります。

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『自分で考える子になる「こども手帳術」』4~5ページより

 Step1. 「手帳は私の宝もの!」にする

最初に準備するのは、A5サイズのシステム手帳バインダーと穴あけパンチです。

幼稚園や学校で配られるプリント類は、ほとんどがA4サイズのため、それを半分に折ってはさめる大きさであるA5サイズのバインダーを用意します。穴あけパンチを使えば、バインダーに好きなものをはさむことができて、とても便利です。

子どもにとってのはじめの一歩は「楽しむ」ことなので、「何をはさもうか?」などと親子でこども手帳について相談し、「手帳=スケジュール管理」とする前に、「手帳=大切なもの、好きなもの」という感情を子どもに持たせてあげることが大切です。大人の感覚だと、すぐに「月間スケジュール」や「To Doリスト」をはさみたくなりますが、まずは子ども自身が「興味のあるもの」「好きなもの」をはさむことからはじめます。

大好きなアニメのちらし、可愛いシールの台紙、大好きなヒーローショーのチケットなど、はさんでいけないものはありません。

Step2. 「自分でできる!」を増やしていく

子どもが手帳に好きなものをはさみ、よく見るようになり、「この手帳は自分のもの!」という感覚になったら、次のステップに進みます。

次は「手帳って便利」という感覚を覚えるために、1日の生活を手帳の中で組み立てていきます。朝起きてから寝るまで「歯を磨いたの?」「今日の宿題は?」と、親があれこれ言わなくても子どもが自分で動けるようにするのが目標です。

自分の1日の予定を立てるには「デイリースケジュール」シートを活用して、学校へ行く、習いごとへ行くなど、時間が決まっていて動かせないものを「予定」。宿題をする、ゲームをするといった、いつ・どのようなタイミングで行なうのか自分で決めることができるものを「やること」として見える化します。

「予定」はデイリースケジュールに直接書き、「やること」はフセンに書いて貼り、1日の生活を手帳の中で組み立てていきます。このとき、やり終えたフセンを貼る場所として「フセンシート」も用意し、2枚で見開きになるようセットします。そうすることで、やったこと、まだできていないことが一目でわかり、1日の過ごし方を、具体的にどういった順番で行なえばいいのかわかるようになります。

 Step3. 「明日が楽しみ!」な状態を作る

デイリースケジュールを活用し、「言われなくても自分でできた」を経験したら、次はいよいよ月間スケジュールに進みます。デイリースケジュールは1日やもっと短い時間のやることを把握するためのものでしたが、月間スケジュールは長期的な予定を見通すためのものです。

子どもが「これさえ見れば、自分の先の予定が全部わかる」となるように予定を記入します。A5サイズでも月間だと1日あたりの書くスペースはせまいので、子どもが書きにくそうなら、親がかわりに書いてあげても大丈夫。書いてある予定を見ることで、自分の明日、明後日、明々後日の予定に意識を向けるようになることが大切です。それ以外にもフセンを使って、予定に対して、持ちものを用意できるようになれば完璧です。