知人のいないパーティーなどに、仕事の関係などでどうしても出席しなければならないときは気が重いものです。

自分以外の誰もがグラスを片手に楽しそうに談笑しているように見えて孤独を感じるし、まわりから「あの人ひとりぼっちね…」などと思われているような気もして恥ずかしいし。でも緊張して誰にも話しかけられない。居心地が悪くて帰りたくなります。

自然に会話の輪に入って、パーティーを楽しむ方法はないものでしょうか?

ここでは、パーティーが苦手な人でも、ひとりぼっちにならずに済む会話や振る舞いのコツを、「ベストスピーカー教育研究所」代表でスピーチトレーナーの高津和彦氏の最新著書『あがってしまうシーンでも相手にきちんと伝わる話し方の授業』から紹介しましょう。


  まずは無難な声がけから

まずは、パーティー会場に入る前に「今日の目的は、知らない人と会話をすることだ!」と気持ちを前向きにします。せっかくのパーティーなのですから、楽しまなきゃソン、という気持ちでのぞみましょう。“気”は大事です。

話し方の授業
『あがってしまうシーンでも相手にきちんと伝わる「話し方」の授業』高津和彦著

 そして、会場を端から端まで歩きます。この時、「ウェルカム」な雰囲気を出している人やグループを探しながら歩いてみましょう。そうすれば、必ず何人かと目が合うはず。その中から選んで、ともかく声をかけてみましょう。

「大勢の人ですね」
「私、今日ここ初めてなんですよ」
「いつも来られるんですか?」

まだ会場の雰囲気も硬いし、相手がどんな人かもわからないので、このような一般的な話からスタートしましょう。

あちこちに会話が聞こえて会場が温まってきたら、そしてその人がいい人だなと思えたら「初めまして、私は……」と、名刺を差し出しながらできるだけシンプルに自己紹介します。

話を発展させるには固有名詞を織りまぜる

会話が盛り上がりそうだと感じたら、タイミングを見て自分の情報を開示していきます。その時に固有名詞を入れると効果的だそうです。

鏡の理論。自分から開くと相手も開く。固有名詞を出すということは、相手との共通事項を早い段階でつくること。そうすると話が盛り上がりやすい。(192ページより)

たとえば、「オフィスは西馬込にあるんです。都営地下鉄浅草線の終点。いつでも座れますよ」と具体的に話せば、「ああそれはいいですね、自分などは……」と相手もノッてきやすい。相手に、「この人は自分に心を開いてくれているな」と思ってもらうことが肝心なのです。

もうひとつ、表情にも気をつけましょう。秘訣は、口角45度の「ニコッ」と、「Warm & Welcoming Eyes(温かくて招き入れる目)」で相手の目を見ること。恥ずかしがらずに。

話に割って入る時は「パッと入ってサッと終わる」

談笑の輪に入っていくのは、ちょっとハードルが高いと感じます。「失礼に思われないか不安」「自分が入って雰囲気が悪くなったりしたら気まずい」。パーティー慣れしていない人はみんなそう思うでしょう。でも大丈夫。次のことを意識すれば、自然に輪に入ることができるはずです。