子は親にエンディングノートを書いて欲しい

同じアンケートにはエンディングノートに関する質問もあります。
・(対象者前ページに同じ)存命中の親にエンディングノートを書いて欲しいか尋ねたところ、62%が「万が一のために書いてほしい」「まだ早いと思うがいずれ書いて欲しい」と回答した(出典:同)

エンディングノートは、そのものを題材とした2011年のドキュメンタリー映画「エンディングノート」のヒットによって広く知れ渡りました。ただしエンディングノートは、万が一の時、残された家族が困らないために、葬儀や墓、終末期の医療に関する希望や財産の状況などを書き留めておくものであり、遺言書と違って法的効力はありません。

もちろん遺言書を書いてもらうにこしたことはありません。でも頼むとなると「そんな縁起の悪いことをいわないで」「うちには財産も借金もない」「兄弟仲がいいから心配ない」……親のこのような反応を想像してためらってしまいます。また、法律に定められた要件や形式を守らなければならず、書く側にとっても相応の準備と心構えが必要で、負担感が大きいものです。

不安解消にはまずエンディングノートを

「まだ遺言書までは……」と思っている親には、最初のステップとしてエンディングノートを書くことをすすめてみましょう。「お父さんの友達のこと、老後の生活に望みたいこと、子や孫たちへのメッセージなんかから書き始めてみない?」というような気軽なすすめかたもいいかもしれません。

また、エンディングノートは、遺言書だけではわからない、家族みんなが感じているおぼろげな不安を解消するものでもあります。

「財産の相続などに関する不安」
「葬式の方法や墓に関する不安」
「認知症や寝たきりになったときの介護体制や、終末期の医療についての不安」
「親の死後に整理しなければならない事や、物についての不安」

親の「思い」を形にして、老後を家族とともに楽しく、不安なく過ごしてもらうために、エンディングノートをすすめてみるのもいいのではないでしょうか。