効果的なアメの与え方とは?

のぞいてみたい人のこころ
のぞいてみたい人のこころ

では、どのように褒めたり褒美をあげたりするのが効果的なのでしょうか。ここで重要なのは「与えるタイミングを間違えないこと」と「グレードに明確な差をつけること」の2つです。

ひとつ目のタイミングについていえば、もし、外発的モチベーションによって人が動いているのなら「そのときに」「その場で」褒めるようにしましょう。子供がおつかいから戻ってきたら、すぐにお駄賃をあげるような要領です。それに対して、内発的モチベーションによって動いている場合には、頑張っている間は余計なことをせずに見守り、ひと段落したところで褒めるのが効果的です。

また、一律に同じような褒め方で済まそうとするのではなく、結果や努力の度合いなどによってアメを与える基準を意識的に変えることも効果的です。これが「グレードに差をつける」ということ。たとえば仕事の現場において、日ごろ行なっている業務の報告であれば、単に「ありがとう」というだけでいいですが、大きなプロジェクトを部下が成功させた時には「すごいな、よくやった」などと通常とは違う褒め方をするように意識しましょう。
慣れないうちは難しいかもしれませんが、このように褒めるタイミングや基準をある程度見極められるようになると、人を指導する際に大いに役立ちます。

「心理学」と聞くと、フロイトやユングなどが説く深層心理や、「あなたの心がわかる」と謳っている心理テストのようなものを思い浮かべる人も多いでしょう。本書の特色は別のところにあります。それは、さまざまな実験などを通じて得られた人間の行動の「式」にもとづいて、世の中に新たな「解」を提示していく、実践的な心理学を紹介しているということ。仕事やプライベートの場面でも大いに役立つ内容です。

興味のある方は、ぜひ一度本書を手に取ってみてください。