人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

●サイト(オフィス・モリオカ)
  → https://office-morioka.com/
●ツイッター
  → http://twitter.com/h_morioka
●facebookページ
  → https://www.facebook.com/officemorioka/
●Instagram
 → https://www.instagram.com/office_morioka/

 

日本一日没の遅い島

このエントリーをはてなブックマークに追加

2006/06/26 10:46

 6月21日は夏至だった。夏至とは太陽が天球上で最も北に位置する日で、北半球ではこの日の昼間の長さが一年で最も長い。東京の日没は午後7時ちょうどで、日の出から日の入りの間が14時間35分もあり、夜の長さよりも5時間も長くなっている。
 しかし、一年中で日没が一番遅い日は少しだけずれている。日没時刻は6月24日には午後7時1分となり、以後7月4日までの間が、一年で日の入りが最も遅い期間である。しかし、日の入りの時刻は日本中どこでも同じというわけではない。西に行けば行くほど、日没の時刻は遅くなる。従って、日本で一番日の入りが遅い場所は最西端の与那国島ということになる。東京都千代田区と与那国島西端の久部良崎の経度の差は17度。単純に計算すると時差は68分となるが、実際には緯度がかなり違うため、それほどは開かない。この間の与那国島の日の入の時刻は東京よりちょうど40分遅い7時41分である。
 さて、与那国島ときいて何を連想するだろうか。昆虫好きだった筆者などは、同島に生息する世界最大の蛾「ヨナグニサン」を真っ先に思い出すが、最近では謎の海底遺跡という人も多いのではないだろうか。これは、昭和61年にダイバーが発見したもので、きれいに切り出された巨大な石が、通路や階段状になって海底に沈んでいるものだ。
 この付近が地上だったのは氷河期のことから、一時は古代文明の跡といわれ、失われたムー大陸の遺跡という説も流れた。その後の琉球大学の調査によって、水没年代は11世紀頃と確認されたが、15世紀以前のこの地域の歴史はほとんど不明で、依然謎の遺跡であることには変わりがない。
 古代文明とはいわないまでも、現在知られている歴史以前に、この地に文明が栄えていたことは間違いないようだ。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ページのトップへ