人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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W杯選手の名字

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2006/05/22 12:34

 W杯メンバー23人が決定した。その人選については、いろいろなところで議論されているので、ここでは特に触れるつもりはない。このブログらしく、23人の名字についてみてみよう。
 ざっと見渡したところ、「三都主」を除けば、とんでもなく珍しい名字の選手はいないようだ。では、「三都主」を除く22人の中で一番数が少ない名字がわかるだろうか。とりあえず、候補にあがるのは、「加地」「駒野」「福西」「玉田」「大黒」「巻」といったところだろう。
 このうち、「玉田」は関西を中心に多く、全国順位でも1000位以内と、“普通の名字”の範疇だ。「福西」「加地」「大黒」も全国に6〜8千人くらいおり、珍しくはない。加地姓は愛媛県に集中しているため、他地域では珍しく感じるが、愛媛県の東予地区に行くと、たいへんポピュラーな名字である。
 残った、「駒野」と「巻」はともに“やや珍しい”といったあたり。駒野姓は新潟県の名字で、特に長岡市に集中している。全国では千人程。駒野選手は和歌山の出身ということだが、和歌山では駒野姓は珍しい。
 一番少ないのが「巻」で、全国に数百人といったところ。都道府県別にみると最多は北海道で、札幌や旭川の付近に多いようだ。北海道に多い名字というのは、ほとんどが本土にそのルーツがある。北海道以外では、東北・北陸・熊本に多く、巻選手は熊本の出身。
 ちなみに、「駒野」の「駒」は馬のこと。従って、「駒野」とは馬を放牧していた場所に関係している。中世以前では、馬は戦争の道具として、或いは情報伝達の手段として、たいへん重要なものであった。天皇家をはじめ、各権力者は良い馬を育てるための放牧場を各地においており、これを「まき」と読んだ。一般的には「牧」という漢字をあてることが多いが、「巻」の漢字を使うこともある。「駒野」と「巻」は名字としてのルーツは同じような所に由来している。
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