人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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飛び地となる自治体

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2006/01/23 09:04

 前回、小さな町村がなくなる、という話を書いたが、地方では小さな町村どころか、かなり大きな町村や、歴史的に有名な城下町なども消滅し、広大な山林を抱えた過疎市が次々と誕生している。その一方、東京や大阪周辺では合併の話はほとんど聞かれず、あいかわらず自転車で簡単に一周できるような衛星都市群がひしめいている。
 2月1日、大阪で初めての市町村合併がある。政令指定都市をめざす堺市が隣の美原町を編入するもので、これが大阪府としては初の合併。2ヶ月後の4月1日には政令指定都市となり、7つの区ができる事が決定済み。中心部の堺区を除いては「東区」「西区」「南区」「北区」「中区」というなんの変哲もないネーミングだが、美原町域だけは、「美原区」となる予定。おそらく合併の条件だったに違いない。

 東京都では平成の大合併に先がけて保谷市と田無市が合併して西東京市ができていることから、これで合併のない都道府県は神奈川県だけとなる。しかし、今月26日に相模原市と藤野町の間で合併協定が調印されることになった。合併予定は3月20日。ところで、地図をみるとわかるが、相模原市と藤野町は全く接していない。相模原市の西隣が城山町で、その西に津久井町があり、さらに西が相模湖のある相模湖町。藤野町はそのさらに向こうで、山梨県との県境の町である。
 このなんとも不自然な合併は、将来的に城山・津久井・相模湖3町も編入して政令指定都市になろう、という計画があるものの、なかなか進展せず、とりあえず合意に達した藤野町とだけ合併するからだ。相模湖町は、交通上も経済的にも高尾を通じて八王子との結びつきが強く、この際八王子市に編入されて東京都入りしたい、という話もあった。現在、津久井・相模湖両町には相模原市との合併計画があるが、実際に相模原市と接している城山町は未定のまま。このまま2町と追加合併しても飛び地状態は解消されない。

 これと逆のパターンが青森県の津軽半島でもおきている。ここでは大合併の話が進んでいたものの、途中で破綻。参加していた自治体が、なぜか隣り合っていない町村との小規模合併を次々とまとめあげたために、3つの自治体が入れ子状態で存在するという複雑怪奇な状況になっている。
 まず合併ありき。この姿勢で生まれた飛び地自治体、本当に行政の効率化ができるのだろうか。
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