人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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仲間さんにはどこで会えるか

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2005/12/26 09:22

 2005年もいよいよ年の瀬。筆者が子どもの頃は、大晦日のNHK「紅白歌合戦」は、コタツに入ってミカンを食べながら、というのが恒例だったが、今はどうなのだろうか。
 さて「紅白」の司会者に、今年は女優の仲間由紀恵が選ばれた。仲間は、テレビ朝日系のドラマ「トリック」に続いて、日テレ系の「ごくせん」が再ヒット。来年のNHK大河ドラマで「功名が辻」のヒロインにも決まっており、年末から年明けにかけての“NHKの顔”的な存在になる。
 「仲間」という名字は、それほど珍しいという感じはしないが、実際にこの名字の人と会ったことのある人は少ないはず。といのも、仲間という名字は、沖縄固有の名字で、全国に数千人いる仲間さんの8割以上は現在でも沖縄在住だからだ。従って、沖縄の名字ランキングでは30位前後で別に珍しい名字でもなんでもないが、本土では、沖縄出身者の多い阪神地区や東京近郊には若干いるものの、それ以外の地域ではまずみかけない。
 沖縄の中では、本島中部と宮古島に集中しており、本島の金武町(恩納ビーチの山をはさんだ反対側)では町で1番多い名字が「仲間」である。
 沖縄の名字の大多数は、沖縄県内の地名がルーツ。仲間由紀恵の出身地である浦添市にも、かつて仲間村という地名があった。
 沖縄には「名嘉間」という名字もある。これは、仲間姓の誰かが漢字を変えたものとおもいきや、糸満市には「名嘉間」という地名があり、ここをルーツとするれっきとした地名姓。この他にも「仲真」という名字があり、こちらは漢字が変化したものらしい。
 なお、沖縄以外で「なかま」というと、通常は「中間」。しかし、この名字も鹿児島を中心に九州南部に集中しており、九州以外の人が出会うことは少なそうだ。
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