人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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六本木にあった六本の木

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2005/12/05 12:42

 今年の流行語大賞では、小泉劇場とともに、「想定内(外)」が選ばれた。受賞者は、「ホリエモン」こと堀江貴文ライブドア社長。今年は、ホリエモンの他にも、三木谷楽天社長、藤田サイバーエージェント社長など、若手のIT経営者が大きくクローズアップされた年でもあった。
 彼らIT長者が根城とするのが、六本木にある「六本木ヒルズ」。六本木ヒルズができたのは2003年。以来、“ヒルズ族”は、成功した若手起業家の代名詞である。
ところで、六本木というのはユニークな地名。野っ原に大きな木があると目立つため、一本杉や二本松という地名はよくあるが、六本とは数が多い。一本や二本だから目立つのであって、六本もあるとかえって目立たないような気がするのだが・・・。
 地名の由来は、文字通り「六本の松の木があった」という説だけでなく、江戸時代に「上杉・朽木(くつき)・高木・青木・片桐・一柳(ひとつやなぎ)」という、木に関係のある名字を持つ大名屋敷が6つあったから、というのもあり、どうもはっきりとはしないようだ。六本木にあったのは、本当の木か大名屋敷なのかは謎のまま。

 六本木以外にも似たような地名は多い。目黒区の東横線祐天寺駅付近は五本木という。ここは鎌倉街道沿いの古い集落で、大きな木が五本あったらしい。また、首都高中央環状線の四つ木ランプは葛飾区。ここはもともと立石村の一部で、分村した際に、四本の大樹があったことから四つ木村としたもので、いずれも本当の木に由来する。
 六本木には戦後GHQが進駐してきたことから、外国人相手の業種が増え、さらにテレビ局の開局などで現在のような繁華街になった。

 最後に六本木ヒルズにまつわるトリビアを一つ。六本木ヒルズは、長府藩毛利家の上屋敷の跡地。屋敷内では赤穂四十七士のうち、十人が切腹している。赤穂事件が起こったのは今から301年前の元禄15年の12月14日(旧暦)。ITの牙城と赤穂浪士切腹の地、なんともユニークな取り合わせである。
 六本木ヒルズの夜景
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