人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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道祖土のルーツ

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2017/11/27 10:22

益子町の中心部から少し東に行ったところに「道祖土」という地名があった。これで「さやど」と読む超難読地名だ。現在は益子町益子の一部になっているようだが、交差点やバス停に地名が残っている。

sayado_bus面白いのは、「道祖土」という地名は他にもあることだ。さいたま市緑区の北浦和駅近くにある「道祖土」が有名で、ここの読み方は「さいど」。益子に近い真岡市の道祖土は「さやど」である。

また、「道祖土」は名字にもあり、読み方は「さいど」が多い。全国ランキングは一万位を少し下回るあたりで、珍しい名字には違いないが、極めて珍しいというほどでもない。つまり、地名にしろ名字にしろ、「道祖土」と書いて「さいど」と読むのは、それほど違和感のない読み方ということになる。

「道祖土」は道祖神に因むと考えられる。道祖神とは村の境目にあって、村外からやってくる疫病や悪霊などを防ぎとめる神のことで、「さいのかみ」「さえのかみ」などと呼ばれた。ここから「道祖」の部分を「さい」と読み、道祖神の置かれている場所を「道祖土(さいど)」と読んだものだろう。益子町や真岡市の道祖土は、「さいど」が「さやど」に変化したものだ。

現在、名字としては埼玉県に多く、とくに川島町に集中している。



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