人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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浅田真央選手引退

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2017/04/17 12:05

画像は「浅田真央オフィシャルウェブサイト」よりキャプチャ

長年にわたって女子フィギュアスケート界を牽引してきた浅田真央選手が、21年間に及ぶ現役生活からの引退を発表、4月12日には都内のホテルで記者会見を開いた。トリノ五輪では年齢制限にわずか87日足らずに出場できず、ソチ五輪ではメダルを逃した悲劇のヒロインの競技生活への幕引きは大きな注目を集めた。

この「浅田」という名字は珍しいものではない。全国順位では400位台というメジャーな名字だが、実は県単位で150位以内に入るところは1ヶ所もないことでもわかるように、集中している特定の都道府県はない。ただし、比較的関西から東海地方にかけては多く、浅田真央選手も名古屋市の出身。とくに愛知県大府市や兵庫県姫路市に多い。

「浅田」のルーツは地形。「底が泥深くない浅い田」(日本国語大辞典)を指す言葉で、「浅田」という地名になっているところも多い。江戸時代の長州藩士の浅田家は周防国吉敷郡浅田(山口市)がルーツ、尾張藩士の浅田家は伊勢国飯野郡浅田(三重県松阪市)がルーツであるなど、地名に由来する浅田家も多い。愛知県では日進市に浅田地名がある。

「浅田」に対する言葉は「深田」。全国順位は700位台で、やはり関西から東海にかけて多い。

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