道具としてのファイナンス
発売日 | 2005.08.24 |
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著者 | 石野雄一 |
判型 | A5判/並製 |
ページ数 | 288 |
ISBN | 978-4-534-03948-4 |
価格 | ¥2,640(税込) |
ファイナンス関連の本に費やしたお金は70万円! 数学が得意ではなかった著者の転機となったのはExcelとの出会い。「理論先行」を排し、最適な資金調達やプロジェクト選択など、ビジネス現場(日産自動車)で得た実務に役立つ方法をわかりやすく解説。
≪章立て≫
序章 ファイナンスの武者修行
第1章 投資に関する理論将来価値とは
第2章 証券投資に関する理論
第3章 企業価値評価
第4章 企業の最適資本構成と配当政策
第5章 資本市場に関する理論
第6章 デリバティブの理論と実践的知識
第7章 ブラック=ショールズ・モデル
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詳細
序章 ファイナンスの武者修行
東京三菱銀行での修行時代 16
ビジネス・スクールでの修行時代 16
エクセルで開眼か? 17
日産自動車での修行時代 17
ファイナンス理論は「ビジネスの共通語」 19
ファイナンスとは? 22
第1章 投資に関する理論将来価値とは
1-1 将来価値とは 26
明日のお金より、いまのお金 26
金利と将来価値の関係を見てみよう 27
1-2 現在価値とは 29
5年後に100万円もらえる宝くじの値段 29
将来価値と現在価値の不思議な関係 30
1-3 将来もらえる年金の値段を計算してみよう 32
永久債の現在価値 32
成長型永久債の現在価値 32
年金型投資商品の現在価値 33
1-4 正味現在価値による投資判断 37
投資判断の決定プロセスを知る 37
正味現在価値の意味をつかもう 38
複数のプロジェクトから投資すべきものを選択しよう 40
Column プロジェクトの割引率とは? 41
1-5 正味現在価値(NPV)以外の指標による投資判断 42
資金回収期間ルールとは? 42
収益性インデックスとは 43
企業が内部収益率を使う本当の理由 44
内部収益率の隠された真実とは 46
複数のプロジェクトから投資すべきものを選択しよう 48
1-6 資本支出予算 51
正味現在価値vs.内部収益率、すごいのはどっち? 51
内部収益率の知られざる弱点とは 53
資本制約がある場合はどうするか? 55
プロジェクトの期間が違う場合はどうするか? 60
キャッシュフロー予測の注意点 61
第2章 証券投資に関する理論
2-1 リスクとは? 72
リスクのない企業など存在しない! 72
急激に株価が下がっても「リスクが高い」とは言わない! 73
イメージでリスクをつかもう 74
Column 過去のリターンと未来のリターン 75
2-2 平均と標準偏差 76
統計の第一関門は意外と簡単 76
標準偏差の正体とは 78
リターンの確率分布 79
貴金属のボラティリティは? 81
Column 期待値――どちらのくじ引きがお得? 83
2-3 共分散と相関係数 84
2つの変数の相性は 84
相性の強さを表わす相関係数 85
相関関係のイメージをつかもう 86
2-4 ポートフォリオによる分散投資――リターンと分散の求め方 89
ポートフォリオのリターンのグラフを書こう 89
ポートフォリオの中身を変えてみよう 91
悪いポートフォリオと良いポートフォリオ 92
相関係数と効率的フロンティアの関係 93
資本市場線とは 98
マーケットポートフォリオを求めよう 101
Column マーケットポートフォリオとは 103
マーケットリスクとユニークリスク 104
市場リスクとβ(ベータ) 105
証券市場線の真実 106
2-5 効率的市場仮説 109
第3章 企業価値評価
3-1 加重平均資本コスト(WACC)とは 114
3-2 CAPMを使って株主資本コストを求めよう 121
リスクフリー・レート(rf) 121
リスクプレミアム(E(rM)-rf) 122
ベータ(β)の問題 122
CAPMの知られざる問題点とは 123
Column 算術平均と幾何平均の違い 125
3-3 会計の基礎 126
3-4 フリーキャッシュフローとは 131
3-5 企業価値評価とDCF法 133
どうすれば、企業価値は高まるのか? 140
Column 未上場企業のβ 144
3-6 EVAって何? 145
第4章 企業の最適資本構成と配当政策
4-1 資本構成と企業価値(MM理論) 150
財務レバレッジとは 150
MM理論とは 153
法人税がMM理論に与える影響 155
税金の効果と財務破綻コスト 157
財務破綻コスト 158
利害対立(株主vs.債権者) 159
利害対立の影響は 161
最適な資本構成を求めて 162
ペッキング・オーダー理論とは 163
資本構成に影響を与える要因 164
4-2 配当政策と企業価値 166
伝統的な議論とは 166
配当政策が株価に与える影響とは 167
自社株取得とは 168
自社株取得と株主価値 168
自社株取得の目的 169
今後の配当政策 169
4-3 資金調達の方法 171
借入れの形式 172
資本市場からの調達 174
有利子負債の思わぬ効用とは 174
株式による資金調達 175
調達期間の選び方 176
第5章 資本市場に関する理論
5-1 債券とは 180
5-2 利回りと価格はどう決まるか 184
債券の利回りとは 184
債券価格はどうやって決まる? 188
5-3 債券のリスク 193
債券の信用リスクと格付 193
債券の価格変動リスク 196
5-4 金利の期間構造 198
スポットレートで債券価格を求める 198
5-5 株式の基礎 204
株価のウソ・ホント 204
株価はどう決まる? 205
株価の決定理論 206
配当から株価を求める 209
5-6 類似企業比較法(マルチプル法) 211
自社と同じような上場企業をベンチマークする 211
マルチプル法活用上の注意点 214
第6章 デリバティブの理論と実践的知識
6-1 デリバティブの種類 218
先物取引とは 218
先渡し取引とはどういうものか 219
6-2 先物取引の特徴 223
取引所の存在 223
先渡しと先物って同じ? 227
6-3 スワップ取引とは 229
金利スワップとは 229
通貨スワップとは 231
スワップの価値って何? 232
スワップ取引にひそむ罠 235
6-4 オプションとは 237
プットオプション 241
本質的価値と時間価値 244
プット・コール・パリティ 245
6-5 オプション価格を決める 248
オプション価格変化の要因 248
二項モデルでオプション価格を求める 249
オプション価格の早わかり術 251
6-6 ワラントと転換社債 255
転換社債とは 255
転換社債の価格はどう動く? 256
ワラントとは 258
新株予約権の行使と株主構成の変化 260
第7章 ブラック=ショールズ・モデル
7-1 ブラック=ショールズ・モデルとは何か 262
ビジネスに方程式をどう使うか 262
ヒストリカル・ボラティリティ 265
インプライド・ボラティリティ 267
7-2 日産でのブラック=ショールズ・モデル活用編 269
為替変動リスクのプレミアム=CAF 269
7-3 リアルオプション 273
戦略の自由度をプロジェクト評価に織り込む 273
リアルオプションの具体例 274
著者プロフィール
石野雄一
1968年生まれ、91年上智大学理工学部卒業後、東京三菱銀行に入行。2000年、10年間勤務した同行を退職後、単身渡米。2002年インディアナ大学ケリー・スクール・オブ・ビジネス(MBA課程)修了。帰国後、日産自動車(財務部)入社。2004年、入社2年目にして「サプライヤー信用リスクモデルの開発」で日産賞を受賞。「ビジネスで使えるファイナンス」の知識の習得と普及をめざしている。2005年4月、日産自動車を退職。現在は、税務戦略コンサルタントとして活躍中。