交通事故に負けない被害者の本
発売日 | 2001.09.12 |
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著者 | 吉岡翔 |
判型 | B6判/並製 |
ページ数 | 288 |
ISBN | 978-4-534-03292-8 |
価格 | ¥1,650(税込) |
年間の死傷者数116万人! 身内が交通事故に遭遇し、知識不足のためにいろいろ不利な状況や不安を味わった著者が、自らの体験をもとにさらに関係者・関係機関に綿密な取材を行ない、実際に役立つ情報・資料を満載した、徹底的に被害者の味方をする本。
≪章立て≫
1章 誰もが被害者になる! 交通事故の実態
2章 人身事故を起こした加害者はどう罰せられる?
3章 警察・検察はどう捜査・処理するか
4章 損害賠償で被害者は救済されているか
5章 人身事故にあったら、すぐにやらなければならないこと
6章 警察・検察に被害者はどう対応すべきか
7章 損害賠償で加害者・保険会社に行なうこと
8章 人身事故の相談・援護機関や制度を活用する
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詳細
1章 誰もが被害者になる! 交通事故の実態
1 人身事故はどのくらい起こっているか 14
●人身事故の被害者とは?
●深刻でトラブルが多い人身事故
●1日の交通事故の死傷者は約3200人
●交通事故による経済的損失は、年間3兆4800億円
●死者数の実態と後遺障害者の増加
2 〈だれ〉と〈だれ〉の事故が多いか 18
●車に乗っていても歩いていても事故!
●どこでどのようにして事故は起きるか
●交通事故の相手の車は何?
●加害者がいない単独事故の実態は?
●圧倒的に多い“自家用車が悪い”交通事故
3 事故が起きた原因は何か 26
●こんな交通違反から事故が起きる!
●遺族や被害者に大きな傷跡を残す人身事故
2章 人身事故を起こした加害者はどう罰せられる?
1 加害者はどんな法律で罰せられるか 30
●人身事故の加害者を罰する法律は?
●人身事故をともなわない交通違反の処罰や処分
●他の犯罪に比べて軽い! 交通犯罪の刑
2 加害者は実際にどんな処罰を受けるか 34
●人身事故の検挙者は多いが…
●加害者が罰せられるかどうかが決まるまで
●検挙されても罰せられない多数の加害者
●罰せられない加害者が増えた理由
●罰せられても、非常に軽い罰!
◆ 交通事故の加害者になりやすい性格とは? 42
3章 警察・検察はどう捜査・処理するか
1 人身事故を警察はどう扱うか 44
●人身事故の捜査・処理の流れと取調べの警官
●被害の程度で捜査・処理の書式が違う
●警察から検察庁に送られる調書・書類は?
●98年6月から、さらに事故捜査が簡略化
●軽いケガの人身事故は捜査を中断!?
2 問題点が少なくない、警察の捜査・取調べ 54
●警察の交通事故の捜査・取調べには手抜きも?
●ヤル気のなさを示す“不祥事”が次々と…
●おざなりな捜査・取調べによる被害者の不利益
●警察に対する被害者側の切実な訴え!
3 被害者に対する警察の対応が変わってきた 60
●被害者側への連絡・説明の新しい制度
●被害者側へのアドバイスや支援
4 検察庁・検察官の取調べはこう行なわれる 63
●加害者の起訴・不起訴を決める検察官とは?
●人身事故に関する検察官の取調べ・処分の流れ
●被害者側の事情聴取と加害者の裁判の状況
●検察庁では扱いが軽い? 人身事故
5 検察庁の扱いを改善させた“隼君の事故” 68
●非難をあびた“隼君の事故”の不起訴処分
●法務大臣の謝罪をひきだした両親の活動
●疑問の不起訴や検察官の怠慢のケース
6 不起訴に対して異議があるなら検察審査会へ 73
●“隼君の事故”以来増えた検察審査会への申立て
●不起訴処分の当否を審査する検察審査会とは?
●不起訴が起訴に変わるケースはまれだが…
7 検察庁の被害者への対応のしかたが変わってきた 78
●事件のその後を教える「被害者等通知制度」
●検察職員OBによる被害者支援と不起訴記録の開示
4章 損害賠償で被害者は救済されているか
1 事故発生から解決までの流れ 82
●結局は“金銭”による解決しかない
●負傷→治療・入院→完治・症状固定→損害賠償請求
2 損害賠償はどう請求して、どう解決するか 84
●損害賠償を請求・解決する3つの方法
●損害賠償の解決方法は「示談」が98%以上
●示談代行者(保険会社)相手のメリット・デメリット
●調停・訴訟の利用数は?
●裁判では判決、和解で解決!
3 自賠責保険は被害者救済が目的 92
●「自賠責保険」と「任意保険」の意味
●最低限の補償の自賠責保険とは?
●自賠責保険会社と任意保険会社との関係
●加害者が支払わないときは「被害者請求」で
●被害者に対する自賠責保険の支払状況
●自賠責がまったく支払われないケース
●加害者の言い分がとおりやすい実情とそれをくつがえした判決
●過失の割合に応じて減額される
●減少している自賠責保険が支払われない件数
●ひき逃げや無保険車の人身事故は政府が保障
4 自動車保険料率算定会(自算会)の役割は何か 104
●自賠責保険の損害調査・算定をする自算会とは?
●被害者請求における「損害調査の流れ」
●被害者側にとっての自算会に対する疑問・問題点
5 任意保険にはどんな役割があるか 108
●事故や損害補償の内容からみた任意保険
●任意保険商品の種類と被害者の補償
●「対人賠償保険」付きの車の割合は?
●普及率が低いタクシーや営業トラック
●対人賠償保険の契約金額は大半が「無制限」
●契約金額の割には支払額は少ない?
5章 人身事故にあったら、すぐにやらなければならないこと
1 加害者がやらなければならないことをチェック! 118
●加害者はやるべきことをやったか?
●法律で定められている加害者の義務
2 被害者がしておかなければならないこと 121
●加害者の住所・氏名、車や保険についての確認
●事故現場に行って有利な材料を拾え!
●被害者の保険会社への通知、ときには警察へも…
●加害者の態度・行動に対する注意点・留意点
●被害者が加入している保険で補償が受けられないか?
3 ふさわしい病院を選び、医者と良好な関係をつくろう 127
●納得のいく病院で納得のいく治療を!
●主治医・担当医とコミュニケーションを密にしよう
4 診療・治療費の支払方法を被害者側に有利に! 130
●診療・治療費の支払いはどうなるか
●人身事故の治療には「自由診療」と「健保診療」がある
●「自由診療」の医療費は「健保診療」の2~2.5倍
●「交通事故に健康保険は使えない」はウソ!
●健康保険側は病院に支払った分を加害者側に請求
●業務上の交通事故に使う労災保険とは?
●健康保険を上手に使おう!
●自己負担が一定額を超えると超えた分が戻る健保
●健保使用をしぶる病院はこう説得しよう!
●交通事故に健康保険を使用する手続きは簡単
●健保利用で被害者負担の場合の自賠責との関係
◆ 交通事故鑑定人とは? 144
6章 警察・検察に被害者はどう対応すべきか
1 被害者はどういう態度で警察と接したらいいか 146
●警察に協力を求められたら応じよう
●ケガの程度にかかわらず受ける被害者聴取
●後々、非常に重要になる「被害者供述調書」
●被害者供述では堂々と真実を話せ!
●署名・押印は慎重すぎるほど慎重に!
●実況見分に立ち会う場合の留意点
●被害者供述のない処理は加害者側が有利!
●警察の捜査・処理の段階で不利なときはこうしよう!
2 被害者として検察にどう対応したらいいか 156
●検察庁に呼ばれることは少ないが…
●検察官に被害者側の状況・心情を訴えろ!
●加害者の処分がどうなったかを聞こう
●再捜査で不起訴がくつがえるケースもある
●不起訴に不服の場合は検察審査会に申し立てよう
7章 損害賠償で加害者・保険会社に行なうこと
1 損害賠償を請求する相手を決める 164
●損害賠償を請求する相手は誰か
●請求できる人を確認する
2 加害者側が治療費を払わないときは 167
●治療費は保険会社から直接、病院に支払わせる
●「仮渡金請求」「内払金請求」による支払い
●治療終了後の場合は「本請求」を行なう
3 まず、示談による解決をめざそう! 172
●加害者側の出方にもよるが、まずは話し合いで…
●保険会社の担当者とは? その立場は?
●保険会社の独自の調査と警察の事故情報
●加害者側の圧力に負けるな!
4 示談交渉、示談書作成はこの要領で! 177
●示談交渉を始めるのは、いつ、どのように?
●示談交渉の前にやっておきたいこと
●保険会社と示談交渉をするときの心構えは?
●保険会社の悪質な担当者は拒絶、上司に訴えろ!
●担当者に対する苦情を訴えるこんな方法も
●示談交渉を弁護士に頼むと…
●人身事故でも保険会社同士の示談がある
●損害賠償の示談交渉に必要な書類は何か
●示談はやり直しがきかない
●示談書には必要事項を落とさずに記載しよう
●直接、加害者と交渉するときの注意点
●保険会社が関与していない示談内容を守らせるには?
5 損害賠償の請求方法(基準)と損害の範囲を知ろう 192
●人身事故で加害者側に請求できる損害の範囲は?
●損害賠償の請求は「弁護士会基準」で
●自賠責・任意・弁護士会の基準とは?
6 「傷害事故(ケガ)」の損害賠償請求はどうするか 196
●請求項目をしっかりチェック、めいっぱい請求しよう!
●傷害事故で支出した積極損害の項目は?
●休業で損害をこうむったら
●自賠責保険や任意保険の休業損害の補償はこうなっている
●肉体的・精神的な苦痛に対する慰謝料
●自賠責保険や任意保険のケガの慰謝料は安い!?
●人身事故にともなう物損も賠償請求を!
7 後遺症が残った場合は、その損害の請求を! 210
●それまでの損害に加えて後遺障害の損害を請求する
●後遺障害等級の認定を有利に運ぼう
●認定された等級に不満があるときは異議申立てを!
●慰謝料請求は弁護士会基準で
●後遺障害等級の逸失利益を計算して請求する
●重度の後遺症の場合は将来の介護料を請求
●自賠責・任意保険における後遺障害の損害賠償は?
8 死亡事故の場合は相続人が損害賠償を請求する 226
●死亡事故でとくに重要な「逸失利益」の算出
●逸失利益の具体的な計算法
●慰謝料や葬儀費、諸費用を請求しよう
●死亡事故の自賠責・任意保険基準はどうなっているか
9 賠償総額に大きく影響する「過失割合」を有利に! 234
●加害者側と被害者側の最大争点となる過失割合
●過失の割合はどのように判断・認定されるべきか
●過失割合で保険会社に対抗するには?
●事故事例の「過失割合」の概要を頭に入れておこう
10 損害賠償請求権が「時効」にならないよう注意する 240
●損害賠償請求の権利がなくなる「時効」
●時効は被害者請求が2年、加害者への請求が3年
●時効の期日が迫っているときは「時効中断」を!
11 「調停」で損害賠償請求を解決する方法も 244
●示談がうまくいかないときの「調停」とは?
●調停の手続きはむずかしくない
●調停の成立・不成立とその留意点・問題点
12 解決しなければ、最後の手段の「訴訟」で決着を! 247
●裁判で決着をつけ、加害者に支払わせよう
●実力のある弁護士を選び、上手に依頼する
●裁判や弁護士にはどれだけ費用がかかるか
●弁護士費用がペイできる判決かどうかが問題
●弁護士費用がないときは「法律扶助」の利用を!
◆ 民事裁判の高額な「損害賠償」判決事例 254
8章 人身事故の相談・援護機関や制度を活用する
1 困ったときには無料の「交通事故相談所」を利用しよう 256
●無料の相談所に相談するのはこんなとき!
●相談に行く前に交通事故の知識を得ておこう
●交通事故相談所の相談員はどういう人か
●相談に行くときはこの点に注意しよう
2 こんなにある無料の交通事故相談所 260
●法律相談は「日弁連交通事故相談センター」へ
●トラブルになったら「交通事故紛争処理センター」
●損害賠償請求の相談は「自動車保険請求相談センター」
●自算会では自賠責保険に関する相談を…
●損保全般の相談・苦情は「そんがいほけん相談室」
●加害者が加入している保険会社に相談
●幅広い相談は身近な「公的な交通事故相談」へ
3 公的な機関・制度で行なっているさまざまな援助 266
●後遺障害者や交通遺児を支援する「自動車事故対策センター」
●被害者家庭の支援をする「自動車事故被害者援護財団」
●奨学金を貸与する「交通遺児育英会」
●賠償金からの拠出で育成金を給付する「交通遺児育成基金」
●その他の公的な援護制度や援護機関の利用も…
4 私的に被害者を支援してくれる機関も心強い味方 274
●被害者の遺族や関係者でつくる「全国交通事故遺族の会」
●重度後遺障害者による「全国交通事故後遺障害者団体連合会」
●その他、交通事故の被害者を支援する機関・団体
巻末資料
◎(財)日弁連交通事故相談センター相談所一覧 279
◎日本損害保険協会の自動車保険請求相談センター 283
◎自動車事故対策センター 285
◆交通事故とPTSD(心的外傷後ストレス障害) 286
著者プロフィール
吉岡翔
(社)日本経営協会勤務をへて、フリーライターとして『週刊文春』『週刊朝日』等で執筆。平成14年、交通事故専門の行政書士事務所を開設。